「ナフサ不足」「ナフサショック」
——ここ数ヶ月でよく見かけるようになった言葉ですが、「そもそもナフサって何?」「うちの給湯器や配管に、どう関係するの?」と感じている方も多いのではないでしょうか。
ニュースでは原油や建材への影響が取り上げられますが、設備工事の現場に関わる立場から見ると、「ナフサが何を作っているか」を知らないままでは、今の価格状況や工事の判断が難しくなっています。
この記事では、ナフサの基礎知識から「住宅設備の部材のどこにナフサが使われているか」を具体的に整理し、2026年の現状で設備交換・工事を検討している方がどう動けばよいかをお伝えします。
ルーム・テック・ラキアでは、札幌近郊エリアを中心に給湯器・石油ボイラーなどの住宅設備の設置・交換工事を専門対応しています。
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ナフサとは何か——燃料ではなく「材料の原料」


ナフサ(naphtha)は、原油を精製する過程で得られる軽質の石油製品のひとつです。
ガソリンや灯油と同じく原油から作られますが、大きく異なるのはその用途です。
ガソリンは「燃やして動かす燃料」ですが、ナフサは「石油化学製品を作るための原料」として使われます。
ナフサをそのまま燃やすことはほとんどなく、石油化学プラントの「ナフサクラッカー(熱分解炉)」に投入することで、エチレン・プロピレン・ブタジエンといった基礎化学品に分解されます。
この基礎化学品が、さらに加工されてプラスチック・合成繊維・塗料・接着剤など、現代の工業製品のあらゆる素材に姿を変えていきます。
| 精製段階 | 主な用途 |
|---|---|
| 原油 | ガソリン・灯油・重油・ナフサなどを同時に生産 |
| ナフサ | 石油化学プラントで熱分解→基礎化学品へ |
| エチレン | ポリエチレン・塩化ビニルなどの原料 |
| プロピレン | ポリプロピレン・ABS樹脂などの原料 |
| 基礎化学品→製品 | プラスチック・塗料・合成繊維・接着剤・合成ゴムなど |
ナフサは「現代の工業製品の起点」とも言える存在です。そして住宅設備の世界も、この起点から深く影響を受けています。
ナフサから作られる主な製品一覧


ナフサを原料とする製品は、私たちの暮らしのあらゆる場所に存在しています。
住宅設備に絞る前に、まず大まかな全体像を押さえておきましょう。
プラスチック・樹脂類
エチレン・プロピレンなどを重合することで生まれる汎用プラスチックは、ナフサの最大の派生製品群です。
| 樹脂の種類 | 主な用途(住宅設備関連) |
|---|---|
| ポリエチレン(PE) | 給水管・灯油ポリタンク・配管用フレキ管 |
| ポリプロピレン(PP) | 給湯器カバー・継手・コントローラーケース |
| ABS樹脂 | 給湯器外装・リモコン本体・浴室部品 |
| 塩化ビニル樹脂(PVC) | 給湯配管・給水管・排水管・電線被覆 |
| ポリスチレン(PS) | 断熱材(EPS・XPS)・梱包材 |
| ポリウレタン | 断熱材(硬質ウレタンフォーム)・パッキン |
塗料・コーティング・シーリング材
建築塗料や防水材の溶剤・樹脂成分は、ナフサ由来の芳香族炭化水素(トルエン・キシレン等)を多く含みます。
給湯器の外装塗装、配管の防錆塗装、外壁のシーリング材など、工事の「仕上げ工程」に広く使われています。
合成ゴム・パッキン類
給湯器の燃焼室内部や配管接続部に使われるパッキン・Oリング・ガスケットは、スチレン・ブタジエンゴム(SBR)やアクリロニトリル・ブタジエンゴム(NBR)などの合成ゴムです。
これらもナフサ由来のブタジエンを原料とします。
断熱材
北海道の住宅で多用される断熱材にも、ナフサ由来の素材が多く含まれています。
| 断熱材の種類 | 主原料 |
|---|---|
| 発泡ポリスチレン(EPS・ビーズ法) | ナフサ→スチレン→ポリスチレン |
| 押出法ポリスチレンフォーム(XPS) | ナフサ→スチレン→ポリスチレン |
| 硬質ウレタンフォーム | ナフサ→プロピレン→ポリオール |
| フェノールフォーム | ナフサ由来フェノールが原料 |
グラスウールやロックウールは無機繊維系のため、ナフサへの依存度は低くなります。
住宅設備の工事現場で「ナフサが何に使われているか」


設備工事の観点から、工事の場面ごとにナフサ由来の部材を整理します。
給湯器・ボイラーの本体
給湯器やボイラーは「金属製の機器」というイメージを持たれがちですが、実際には多くの樹脂部品で構成されています。
- 外装カバー・フロントパネル:ABS樹脂またはポリプロピレン製
- コントローラー(リモコン)本体:ABS樹脂製
- 配管継手・ジョイント部品:ポリプロピレン(PP)製が多い
- 内部パッキン・Oリング:ナフサ由来の合成ゴム製
- 燃焼ファンのカバー・風路部品:各種樹脂製
リンナイ・ノーリツ・パロマなどの大手給湯器メーカーは、2026年以前から原材料費・物流費の上昇を理由に複数回の価格改定を実施しており、ナフサ高騰による追加コスト転嫁の可能性が指摘されています。
ノーリツは2026年3月受注分から温水機器の希望小売価格改定を実施済みで、石油給湯器については4月1日受注分から対象となっています。
⚠️ 2026年4月時点では、リンナイ・ノーリツ・パロマなど主要給湯器メーカーから「受注停止」や「大幅な納期遅延」の公式発表は確認されていません。ただし、エチレン系樹脂部品のコスト上昇が製品価格に転嫁される可能性は考えられるでしょう。
配管・給水管・排水管
給湯器を交換する工事では、機器本体だけでなく接続配管の更新が伴うことも多くあります。
配管材料は、ナフサ影響を最も直接的に受ける資材のひとつです。
塩化ビニル管(塩ビ管)
給排水・排水に広く使われる塩ビ管(VPパイプ・VUパイプ)は、エチレンと塩素を反応させた塩化ビニル樹脂(PVC)が原料です。
エチレンはナフサの熱分解で得られるため、ナフサ供給の逼迫がPVC価格の上昇に直結します。
架橋ポリエチレン管(PEXパイプ)・ポリブテン管
床暖房・給湯配管などに使われる架橋ポリエチレン管やポリブテン管も、ナフサ→エチレン(またはブテン)を原料とする樹脂配管です。
北海道の戸建て住宅でも、セントラルヒーティングの温水循環配管や給湯の床下配管に多用されています。
フレキシブル管の被覆
ガス管として使われるフレキシブル管(ステンレスフレキ管)は金属製ですが、外側の樹脂被覆(ポリエチレン)はナフサ由来です。
断熱材(北海道では特に重要)
北海道の住宅断熱性能は全国でも高水準が求められますが、その断熱材の多くがナフサ由来の原料を使用しています。
給湯器の屋外設置スペースの断熱措置、温水配管の保温材、床下断熱リフォームなど、設備工事と断熱工事が絡む場面は少なくありません。
カネカなど断熱材メーカーは2026年4月から大幅な価格引き上げを実施しており、断熱リフォームを含む工事の見積もり金額に影響が出ています。
塗料・シーリング材(コーキング)
給湯器交換工事(トップ交換)の際、外壁貫通部のシーリング(防水コーキング)は必須の工程です。
また、ボイラー設置スペースの外壁塗装が絡む工事もあります。
塗料に使われるシンナーはナフサから得られる芳香族炭化水素(トルエン・キシレンなど)が主成分で、ナフサ高騰の影響を特に受けやすい資材です。
国内の主要塗料メーカーが2026年春以降、30〜80%規模の値上げを順次実施しており、工事全体のコストに影響しています。
灯油ポリタンク
灯油暖房が一般的な北海道では、灯油の保管に欠かせない「赤いポリタンク」も実はナフサ由来の製品です。
ポリエチレン製のポリタンクは、ナフサ→エチレン→ポリエチレンの工程で作られます。
「灯油の価格が上がった」という話は多く聞きますが、「ポリタンク自体も値上がりしている」という認識は意外と広まっていません。
実際、2026年春以降のポリエチレン製品の値上がりはポリタンクの流通コストにも波及しています。
2026年の状況——ナフサショックとは何が起きているか


ここまでの内容を踏まえ、2026年春に何が起きているかを整理します。
ホルムズ海峡封鎖の影響
2026年2月末、中東情勢の緊迫化により、ホルムズ海峡の通行が事実上困難な状況になりました。
ホルムズ海峡は日本の原油輸入の約9割が通過する世界最重要のエネルギー輸送路で、ナフサ輸入の約7割を中東産に依存している日本にとって、即座に深刻な影響が生じました。
原油には国家備蓄(約250日分)が整備されていますが、ナフサには国家備蓄の仕組みがありません。
民間在庫はおよそ20日分という薄い水準だったため、石油化学産業の稼働に直ちに影響が出ました。
2026年3月のナフサ基準価格は約62,893円/kLと、封鎖前と比べて大幅な上昇を記録。
円安(2026年3月時点で1ドル158.64円)も輸入コストを押し上げる方向に働いています。
住宅設備への影響の状況(2026年4月時点)
受注・納期への影響が出ている設備・部材
- ユニットバス・システムバス(TOTO・LIXIL・パナソニック・クリナップが納期未定)
- 断熱材(複数メーカーが40%前後の価格引き上げ、供給制限)
- 塩ビ管・配管材(信越化学・積水化学が値上げ実施)
- 塗料・シンナー(主要塗料メーカーが30〜80%規模の値上げ)
給湯器・暖房機器については(2026年4月時点)
給湯器(ガス給湯器・石油給湯器)、灯油ボイラー、FF式石油ストーブについては、2026年4月時点でメーカーからの受注停止・大幅な納期遅延の公式発表は確認されていません。
ただし、エチレン系の樹脂部品コストは上昇しており、今後の価格転嫁の可能性は排除できない状況です。
北海道の住宅設備で特に注意したいポイント


北海道・札幌の住宅は、本州と異なる設備環境のため、ナフサ影響を受けやすい部材が多い点に注意が必要です。
灯油暖房・灯油給湯の設備が多い
北海道では石油給湯器(灯油)・灯油ボイラー・FFストーブが広く普及しています。
これらの設備の本体部品・配管材・パッキン類はいずれもナフサ由来の素材を含んでいます。
また、灯油を保管するためのポリタンクもポリエチレン製で、ナフサ由来です。
セントラルヒーティングの配管が多い
北海道の戸建て住宅でよく使われるセントラルヒーティング(温水暖房)では、床下や壁内に多量の温水配管(ポリブテン管・架橋ポリエチレン管など)が走っています。
これらの樹脂配管材料のコストが上昇すると、配管更新リフォームの費用に直接影響します。
断熱性能の要求が高い
北海道の住宅は断熱性能が特に重要です。
ポリスチレンフォームや硬質ウレタンフォームなど、ナフサ由来の断熱材が多用されています。
断熱リフォームと設備交換を同時に計画している方は、断熱材コストの動向にも注意が必要です。
寒冷地向けの仕様・部品が別に存在する
北海道向けの寒冷地仕様機器は、凍結対策のヒーターや専用部品が追加されています。
これらにも樹脂部品・電気配線被覆(ポリエチレン)などナフサ由来の材料が使われています。
設備交換を検討中の方へ——今どう動くか
ナフサ価格の高止まりが続くなか、設備交換・工事を検討している方への実務的な考え方を整理します。
給湯器・暖房機器の交換はどうすればよいか
現在の機器に不具合がある場合や、使用年数(ガス給湯器、石油給湯器・ボイラーは10年が目安)が近づいている場合は、早めに交換を進めることが現実的です。
理由は、①ナフサ由来部品のコスト上昇が製品価格に転嫁される方向にある、②部品の補修・修理コストも上昇傾向にある、③配管材・シーリング材など工事に必要な資材費が上がっている——という複合的な背景があるためです。
「価格が落ち着くまで待とう」という判断は、価格が下がる見込みが薄い現状では、結果的に高い費用で交換することになるリスクがあります。
見積もりを取得するタイミング
設備工事の見積もりは、できるだけ早い段階で取得することをおすすめします。
見積もりは「現時点での工事費用の確認」と「資材の調達見通しの確認」を同時に行うことができるためです。
現在「まだ使えているが、そろそろ気になっている」という段階であっても、先に見積もりを取っておくことで、実際に交換が必要になったときにスムーズに動けます。
配管工事が絡む場合は要注意
給湯器交換のみの工事と、配管更新・引き直しが伴う工事とでは、必要な資材量が大きく異なります。
塩ビ管・樹脂配管材が値上がりしている現状では、配管工事が多いほど費用の変動幅が大きくなります。
工事の内容・範囲を事前に確認したうえで見積もりを取ることが重要です。
断熱と設備の同時リフォームを検討している場合
断熱材(ポリスチレンフォーム・ウレタンフォーム系)は特に供給状況が不安定になっています。
断熱リフォームと設備交換を同時に計画している場合は、断熱材の調達見込みを先に確認してから工事スケジュールを立てることが現実的です。
よくある質問(FAQ)
Q1. ナフサが高くなると、給湯器の値段は必ず上がりますか?
必ずしも即座に上がるわけではありませんが、上昇圧力がかかっていることは確かです。給湯器は完成品ですので、部品コスト・物流コスト・為替など複合的な要素が価格に反映されます。リンナイ・ノーリツなど主要メーカーはすでに2026年内の価格改定を実施しており、追加改定の可能性も排除できません。「今すぐ壊れていないから様子を見よう」という判断が結果的に高い交換費用につながるケースもあります。
Q2. 給湯器の交換工事で、ナフサ由来の部材はどのくらい使われますか?
機器本体の外装・継手部品に加え、接続配管(塩ビ管・樹脂配管)、外壁シーリング材(コーキング)、断熱テープなどが工事に使われます。機器本体のコストより工事の付帯部材費が目立って上がっているケースもあるため、見積もり内訳を確認することをおすすめします。
Q3. 灯油ポリタンクも値上がりしているのですか?
はい、影響を受けています。ポリタンクはポリエチレン製で、ナフサ由来の原料を使います。2026年春以降のポリエチレン製品の価格上昇は、ポリタンクの製造・流通コストにも波及しています。北海道の場合、灯油の保管量も多いため、ポリタンクの買い替え時期が重なると余計な出費になる可能性があります。
Q4. セントラルヒーティングの配管交換を検討しています。今の価格はどうですか?
樹脂配管材(ポリブテン管・架橋ポリエチレン管など)は、ナフサ価格の影響を受けやすい資材です。信越化学・積水化学など主要メーカーが2026年春に値上げを実施しており、配管量の多いセントラルヒーティングの更新工事では費用が以前と比べて上昇している場合があります。まずは現地確認・見積もりで現在の費用感を把握することをお勧めします。
Q5. ナフサ価格はいつ落ち着きますか?
中東情勢の動向に大きく左右されるため、確実な見通しはお伝えできません。2026年4月現在、停戦・再燃が繰り返されており、建材価格への影響は当面続く可能性があります。過去の原材料高騰(ウッドショック等)の経験からは、「一度上がった工事費用は元の水準に戻りにくい」という傾向があります。現時点での見積もり取得を優先することが現実的な対応といえます。
まとめ
ナフサは原油から得られる「石油化学産業の原料」であり、プラスチック・塗料・断熱材・合成ゴムなど、住宅設備のあらゆる部材の出発点となっています。
設備工事の観点から整理すると、ナフサ由来の材料が使われているのは、給湯器・ボイラーの樹脂部品、給湯配管・給水管・排水管(塩ビ管・樹脂管)、断熱材、外壁シーリング材、灯油ポリタンクなど、工事全体の広い範囲にわたります。
2026年春のナフサショックは、ユニットバス・システムバスなどの設備で受注停止が起きるほどの影響をもたらしていますが、給湯器・暖房機器については現時点で大幅な納期遅延の公式発表は出ていません。
ただし、配管材・塗料・シーリング材などの周辺資材は値上がりが進んでおり、工事全体のコストは上昇しています。
北海道の戸建て住宅は灯油設備・セントラルヒーティング・高い断熱性能への要求など、ナフサ由来部材と関わる設備が多い環境です。
設備の不調が気になっている方、10年以上経過した機器をお使いの方は、早めに現地確認・見積もりを取得することをおすすめします。
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部材コストも上がることが予想されますし、まだ器具を調達できるうちに、今の設備の状態だけでも確認しておくことをおすすめします。
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