2026年3月使用分(4月検針・請求分)をもって、政府による都市ガスへの補助金が終了しました。
電気代の補助金も同じタイミングで終了しており、光熱費全体に影響が出ています。
北海道の家庭にとって、都市ガスは暖房・給湯・調理を担うエネルギーの柱です。
本州の家庭と比べてガス使用量が多い分、補助金終了の影響も相対的に大きくなります。
この記事では、補助金がそもそも何だったのか、終了によって家計にどの程度の影響があるのか、そしてこの先のガス代をどう考えればよいかを、できる限り実態に沿った形で整理します。
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補助金はそもそも何だったのか|2023年から繰り返された支援の歴史


「電気・ガスの補助金」という言葉をここ数年でよく耳にするようになりましたが、正確な内容をご存知の方は意外と少ないかもしれません。
少し時間をさかのぼって整理します。
補助金の始まりは2023年1月
きっかけは2022年以降のエネルギー価格の高騰です。
ロシアによるウクライナ侵攻を契機に、LNG(液化天然ガス)をはじめとする燃料価格が世界的に急騰しました。
日本は都市ガスの原料であるLNGのほぼ全量を海外からの輸入に頼っているため、その影響を直接受ける形でガス代・電気代が急上昇しました。
こうした状況を受け、政府は2023年1月使用分から「電気・ガス価格激変緩和対策事業」を開始。
ガス会社が使用量に応じて自動的に請求額を値引きする仕組みで、ユーザー側の申請は不要でした。
終了・再開を繰り返した補助金の変遷
その後、補助金は縮小・終了・再開を繰り返してきました。以下の表でその変遷を整理します。
| 期間 | 事業名 | 都市ガスの補助単価(㎥あたり) |
|---|---|---|
| 2023年1〜8月使用分 | 電気・ガス価格激変緩和対策事業 | 30円 |
| 2023年9〜12月使用分 | 同上(縮小) | 15円 |
| 2024年1〜5月使用分 | 同上(さらに縮小・終了) | 15円→終了 |
| 2024年6〜7月使用分 | 補助なし(空白期間) | ― |
| 2024年8〜10月使用分 | 酷暑乗り切り緊急支援 | 15円 |
| 2024年11〜12月使用分 | 補助なし(空白期間) | ― |
| 2025年1〜3月使用分 | 電気・ガス料金負担軽減支援事業 | 10円 |
| 2025年4〜6月使用分 | 補助なし(空白期間) | ― |
| 2025年7〜9月使用分 | 電気・ガス料金支援 | 10円 |
| 2025年10〜12月使用分 | 補助なし(空白期間) | ― |
| 2026年1〜2月使用分 | 電気・ガス料金支援 | 18円 |
| 2026年3月使用分 | 同上(縮小) | 6円 |
| 2026年4月使用分以降 | 補助なし(現時点) | ― |
※資源エネルギー庁公表情報をもとに作成。使用量は低圧家庭向けの従量制単価。
こうして並べてみると、補助金は「常にある安定した制度」ではなく、その都度の経済対策として決定・実施されてきたものです。
今回の終了が「打ち切り」ではなく、補助がない時期がこれまでも繰り返されてきたことは、頭に入れておいたほうがよいでしょう。
北海道ガス・北海道電力でも自動で実施されていた
北海道でも、北海道ガス(北ガス)・北海道電力(ほくでん)ともに、国の方針に基づいて都市ガス料金・電気料金の値引きを自動的に実施してきました。
ユーザー側の手続きは一切不要で、毎月の請求書にそのまま反映されていました。
なお、LPガス(プロパンガス)はこれらの補助の対象外でした。
都市ガスを引いていない地域や物件に住む方は、補助の恩恵を受けていなかった点にも触れておきます。
2026年4月以降、北海道の家計への具体的な影響


補助金が終了すると、実際にガス代はどう変わるのでしょうか。
使用量の多い北海道ならではの視点で整理します。
月あたりの負担増の目安
2026年1〜2月使用分は1㎥あたり18円、3月使用分は6円が補助されていました。
4月以降はこの補助がゼロになります。
一般的な目安として、北海道の都市ガス使用世帯の月間使用量は夏場で20〜30㎥程度、冬場は暖房込みで50〜100㎥を超えることも珍しくありません。
ただし4月は春先で暖房需要が落ち着く時期でもあるため、補助金終了の影響が最大規模で表れるのは、次の秋以降になる可能性が高いと見られます。
補助がなくなることによる家計への影響は、一般的に月あたり数百円〜1,000円超の範囲とされています(使用量や契約プランによって異なります)。
| 想定使用量(月間) | 補助終了による負担増の目安 |
|---|---|
| 20㎥(夏・少人数世帯) | 月300〜400円程度 |
| 50㎥(春秋・4人家族) | 月750〜900円程度 |
| 100㎥(冬・給湯+暖房フル稼働) | 月1,500〜1,800円程度 |
※2026年1〜2月の補助単価18円をベースに試算。契約プランや会社によって異なります。
電気代の補助金も同時に終了している
都市ガスと同じく、電気代の補助金も2026年3月使用分をもって終了しています。
こちらも2026年1〜2月使用分は低圧契約で1kWhあたり4.5円、3月は1.5円が補助されていました。
電気代の補助終了は、都市ガスのケースと並行して家計に影響します。
暖房・給湯をガスに頼り、照明・家電は電気、という北海道の一般的な家庭であれば、ガスと電気の両方で補助がなくなることになります。
ガス代が高くなり続ける背景|LNGと円安という構造問題


補助金が終了したことで今後「高くなった」と感じてしまうわけですが、そもそもガス代はなぜ上がり続けているのでしょうか。
補助金の話とは少し切り離して、根本の構造を整理しておきます。
都市ガスの原料は海外から来る
都市ガスの主原料はLNG(液化天然ガス)です。
日本はこのLNGのほぼ全量を海外から輸入しており、オーストラリア・カタール・マレーシアなどが主な調達先になっています。
LNGの国際価格は世界のエネルギー需給や地政学的な状況によって変動します。
2022年のウクライナ侵攻以降は特に不安定な動きが続いており、価格が落ち着いたかと思えば再び上昇するという状況が繰り返されています。
円安が輸入コストを直撃する
LNGは国際市場でドル建てで取引されます。
円安が進むと、同じ量のLNGを買うために必要な円が増えるため、輸入コストが増加します。
この増加分が「原料費調整額」として毎月の料金に反映される仕組みです。
2022年以降の円安傾向は依然として続いており、LNG価格の変動と重なる形でガス料金の上昇圧力が続いています。
「原料費調整制度」の仕組みを知っておく
都市ガスの請求書にはその「原料費調整額」という項目があります。
これは調達コストの変動を月々の料金に反映させる制度で、原料が高ければ請求額が増え、安ければ減る仕組みです。
この仕組み自体はガス代の透明性を保つための制度ですが、輸入コストが上がった月はそのまま料金に上乗せされます。
補助金はこの原料費調整額の一部をカバーするものでしたが、それがなくなると調整額の全額が請求書に乗ってくることになります。
補助金はあくまで「クッション」だった
「補助金が終わったから値上がりした」という印象を持ちやすいですが、より正確には「ガス代はすでに高い水準にあり、補助金がそれを見えにくくしていた」という面が大きいです。
補助がなくなった今、ガス代の本来の水準が請求書に現れるようになった、と理解したほうが実態に近いかもしれません。
家計への影響を抑えるために今できること


補助金は終わりましたが、「だから何もできない」わけではありません。
光熱費を管理していくためにできることを整理します。
日々の使い方を見直す
まずは使い方の工夫です。
北海道の冬場のガス消費の多くは暖房と給湯が占めています。
設定温度の適正化や、入浴のタイミングをまとめるといった習慣の積み重ねが一定の効果につながります。
| 場面 | 節約のポイント |
|---|---|
| 暖房 | 設定温度を1℃下げると消費量が約3〜5%削減できる場合がある |
| 給湯 | シャワーの使用時間を短縮。追い焚きより保温の方が効率的なことが多い |
| 調理 | 鍋に合った火口を使う。余熱を活用できる調理を心がける |
| 暖房機器の状態 | フィルターの汚れは燃焼効率の低下につながる |
給湯器・暖房機器の状態を確認する
使い方の工夫と並行して意識したいのが、使っている機器の状態です。
給湯器やガス暖房機は、使用年数が増えるほど燃焼効率が若干低下する傾向があります。
適切なメンテナンスをしていない機器は、同じ量のガスを消費しても発生する熱量が少ない状態になっている場合があります。
特に設置から10年以上が経過している機器は、省エネ性能の面でも最新機種との差が開いています。
現在の機器の号数や機種が実際の生活に合っているかどうかも、この機会に確認してみる価値があります。
長く使い続けること自体は悪いことではありませんが、ガス代の節約という観点で見ると、古い機器が出費の一因になっている可能性はあります。
補助金の再開を待つより、設備を見直す方が確実
補助金はこれまでも終了と再開を繰り返してきました。
今後また支援が実施される可能性はゼロではありませんが、実施されるかどうか、いつからかは政府の判断次第であり、生活の計画に織り込むには不確実性が大きいです。
確実にコントロールできるのは、使い方と機器の状態です。
補助の有無に左右されない光熱費の管理を考えるのであれば、機器の省エネ性能を一つの軸に置くことが現実的です。
よくある質問(FAQ)
Q1. 2026年4月以降も補助金が再開される可能性はありますか?
現時点(2026年4月)では、4月使用分以降の補助金について政府から発表はありません。ただし過去の経緯を見ると、エネルギー価格が高騰した局面や夏・冬の需要増加期に合わせて補助が再開されてきた実績があります。今後の再開が完全にないとは言えませんが、具体的な時期や金額は未定です。最新情報は資源エネルギー庁の公式サイトや北海道ガス・北海道電力のお知らせで確認されることをおすすめします。
Q2. 補助金終了でガス代はどのくらい上がりますか?
月々の上昇幅は使用量と契約プランによって異なります。2026年1〜2月の補助単価は1㎥あたり18円でしたので、暖房・給湯でフル稼働する冬場に月100㎥以上使用している世帯であれば、理論上は月1,500〜1,800円程度の負担増になる計算です。ただし4月は暖房の使用が減る時期でもあるため、直近の影響は比較的小さく、次の秋冬に向けてより実感されやすくなる可能性があります。実際の請求額は各ガス会社の料金プランや原料費調整額の動向にもよります。
Q3. LPガス(プロパンガス)を使っている家庭は補助の対象でしたか?
国が実施してきた電気・ガス料金支援は、都市ガスのみが対象でした。LPガス(プロパンガス)は対象外です。そのため、プロパンガスをお使いの家庭は補助金が終わる終わらないに関わらず、補助の恩恵を受けていませんでした。北海道では都市ガスが引かれていない地域や物件も多く、プロパンガスを使われている世帯はこの補助制度の対象外であった点にご注意ください。
Q4. 給湯器を省エネ機種に交換すると、実際にガス代はどのくらい変わりますか?
機種や使用状況によって異なりますが、一般的に従来型の給湯器(熱効率約80%)からエコジョーズ(熱効率約95%)に交換すると、給湯にかかるガス消費量が10〜15%程度削減できる場合があります。北海道の場合は給湯器がボイラーを兼ねて暖房・床暖房にも熱源を供給しているケースが多く、その場合は暖房費全体にも効率改善が波及します。
Q5. 使用年数が古い暖房機器は、ガス代の節約という観点で見直す価値がありますか?
あります。ガス暖房機や給湯機は、使用年数が長くなるほど内部部品の劣化やバーナーの汚れにより燃焼効率が低下する傾向があります。10年以上使用している機器は、定期メンテナンスを実施していても、出荷時の性能を維持していないことがほとんどです。最新の省エネ機種と比較すると、同じ部屋を同じ温度に保つために消費するガス量に差が生まれます。補助金がなくなった今の時期に機器の状態を確認することは、長期的な光熱費管理の観点から理にかなっています。
まとめ|「補助が当たり前」から「設備と使い方で管理する」時代へ
2026年4月以降、都市ガスの補助金は(現時点では)終了しています。
電気代の補助も同時に終わり、北海道の家庭にとっては光熱費全体が実勢に近い水準で請求される状況に変わりました。
補助金は元々、エネルギー価格の急騰に対する緊急措置として実施されてきたものです。
それが繰り返し再開されてきたことで「あって当たり前」のような感覚になりつつありましたが、本来は恒久的な制度ではありません。
今後の光熱費を安定させるために現実的なのは、補助の再開を待つのではなく、自宅の設備を見直すことが挙げられるでしょう。
省エネ性能の高い給湯器への交換、適切なサイズの暖房機器の選択、定期的なメンテナンスによる効率維持、これらはいずれも補助の有無に関係なく効果が続きます。
一度の判断が、長期的なガス代のベースラインを下げることにつながりますのでぜひ設備と使い方の管理の見直しをしてみてはいかがでしょうか。
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