「ガスストーブに替えようと思っているけど、メリット・デメリットが知りたい」——
そう考えてこのページにたどり着いた方は多いのではないでしょうか。
すぐに暖まる、灯油の給油がいらない、といった評判を耳にして気になっている、という方もいらっしゃると思います。
ここで最初に整理しておきたいのが、「ガスストーブ」と一括りに呼ばれているものの中には、仕組みも使い方もまったく違う3つのタイプが含まれている、ということです。
同じ「ガスで暖める」機器でも、換気が必要かどうか、工事がいるかどうか、部屋全体を暖められるかどうかが大きく変わります。
ここを混同したまま検討を進めると、「思っていたのと違った」という後悔につながりかねません。
具体的には、次の3タイプに分けられます。
| タイプ | 燃料の供給方法 | 換気 | 設置工事 | 主な使い方 |
|---|---|---|---|---|
| FF式ガスストーブ(FF暖房機) | ガス配管に固定接続 | 不要 | 必要(壁貫通の給排気筒) | 部屋のメイン暖房 |
| ガスファンヒーター | ガス栓にホースで接続 | 必要 | 場合により必要(ガス栓増設) | メイン〜補助暖房 |
| カセット式ガスストーブ | カセットボンベ(CB缶) | 必要 | 不要 | スポット暖房・防災用 |
この記事では、それぞれのメリット・デメリットをタイプ別に整理し、そのうえで「北海道のような寒冷地ではどれを選べばよいのか」という視点で解説していきます。
導入を検討している方が、ご自身の住まいと暮らし方に合った一台を選べるよう、判断の材料をお届けしますのでぜひご参考ください。
ルーム・テック・ラキアでは、札幌近郊エリアを中心にFF式ガスストーブなど暖房機器の設置・交換を専門対応しています。
ご家庭の間取りや排気経路、既存設備の状態を確認したうえで、最適な暖房プランをご提案します。
「部屋が暖まりにくい」「古いストーブを交換したい」といったお悩みもお気軽にどうぞ。
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そもそも「ガスストーブ」の3タイプは何が違うのか
メリット・デメリットの前に、3タイプの構造上の違いをおさえておくと、以降の話がぐっと理解しやすくなります。
暖房機器を分けるうえで最も重要なのが、燃焼に使う空気をどこから取り入れ、燃えたあとの排気をどこに出すかという点です。
ここに「密閉式(FF式)」と「開放式」という根本的な違いがあります。
- FF式:燃焼に使う空気を屋外から取り込み、燃えたあとの排気も屋外に出す「密閉燃焼」方式です。FFは「Forced Flue(強制給排気)」の略で、電動ファンで給気と排気を強制的に行います。室内の空気を燃焼に使わないため、排気ガスが室内に出ません。
- 開放式(ガスファンヒーター・カセット式):室内の空気を使って燃焼し、排気も室内に出す方式です。手軽に使える反面、燃焼によって発生する水蒸気や排気が室内に放出されるため、定期的な換気が欠かせません。
この「密閉か開放か」の違いが、換気の要否・安全性・設置工事の有無といった、以降で説明するメリット・デメリットのほぼすべてに関わってきます。
まずはここを頭に入れたうえで、タイプ別に見ていきましょう。
燃料は「都市ガス」「プロパンガス」「カセットボンベ」の3系統
もう一つ、購入前に必ず確認したいのが燃料です。
FF式とガスファンヒーターは、住宅に引き込まれている都市ガスまたはプロパンガス(LPG)を使います。カセット式は、市販のカセットボンベ(CB缶)を使います。
ここで重要なのが、都市ガス用とプロパンガス用は機種が別物だという点です。
原料も性質も異なるため、都市ガスの家でプロパン用の機器を使う(またはその逆)と、故障や異常燃焼の原因になり、大変危険です。
カタログや製品仕様書には「都市ガス用(12A・13Aなど)」「プロパンガス用(LPG)」といった区分が明記されていますので、必ず自宅のガス種に対応した機種を選んでください。
ご自宅のガス種が分からない場合は、契約中のガス会社に問い合わせれば確認できます。
FF式ガスストーブ(FF暖房機)のメリット・デメリット


北海道で「ガスストーブ」というと、多くの場合このFF式を指します。
壁に給排気筒を通して設置する、据え置き型のメイン暖房です。
FF式ガスストーブのメリット
FF式の最大の強みは、換気がいらないことと、寒冷地でも安定して暖まることの2点です。
まず、燃焼用の空気を屋外から取り入れ、排気も屋外に出す密閉構造のため、排気ガスが室内に放出されません。
開放式ストーブのように「1時間に1〜2回窓を開ける」といった換気の手間がなく、一酸化炭素中毒のリスクも大きく下げられます。
小さなお子さまや高齢のご家族がいるご家庭でも、安心して使いやすいタイプです。
次に、外気を使って燃焼するため、外気温がマイナスになる寒冷地でも安定して燃焼を維持できます。
強風など天候の影響も受けにくく、真冬でも暖房能力が落ちにくいのが特長です。
実際の現場でも、メイン暖房として選ばれるのは、この安定感によるところが大きいです。
さらに、燃焼で発生する水蒸気も屋外に排出されるため、窓や壁の結露が起こりにくいという利点もあります。
結露はカビや建材の傷みの原因になりますので、寒冷地では見逃せないポイントです。
灯油ストーブ・ファンヒーターのような給油作業や点火・消火時のニオイがないことも、日々の使い勝手として評価されています。
FF式ガスストーブの主なメリットを整理すると、次のとおりです。
- 換気が不要で、室内の空気を汚さない
- 一酸化炭素中毒のリスクが低く、安全装置も充実している
- 外気温が低い寒冷地でも安定して燃焼し、暖房能力が落ちにくい
- 結露が起こりにくく、建物やカビの対策になる
- 灯油のような給油作業・保管・ニオイがない
- 自動運転・エコモードなど快適機能が充実している
FF式ガスストーブのデメリット
一方で、FF式には設置工事が必要という導入面のハードルがあります。
新設の場合、壁に穴を開けて給排気筒を通す工事及びガス工事が前提となるため、設置場所がある程度限られ、初期費用も本体代に工事費が加わります。
賃貸住宅などでは設置できないケースもあります。
また、本体価格はガスファンヒーターやカセット式と比べて高めの傾向があります。
据え置き型でメイン暖房として長く使う設計のため、手軽さよりも性能・安定性に振った機器だと考えるとよいでしょう。
寒冷地特有の注意点として、給排気筒(給排気口)の雪詰まり、凍結があります。
札幌のように積雪の多い地域では、大雪や屋根からの落雪で屋外側の給排気口が塞がれてしまうことがあります。
給排気口が塞がると、安全装置が働いて自動停止する仕組みになっていますが、暖房が止まってしまっては困りますので、冬場は給排気口の周りに雪が積もっていないか、日常的に確認することが大切です。
なお、北海道では「FF式ガスストーブ」と並んで「FF式石油ストーブ(灯油)」も広く使われています。
どちらも密閉燃焼で換気がいらないという構造は共通しており、違いは燃料です。
ガス配管が引かれているご家庭ならガスFF、灯油タンクで運用しているご家庭なら石油FF、というように、既存の設備環境に合わせて選ばれることが多いです。
燃料価格の変動リスクを分散したいという理由から、灯油からガスへ切り替えるケースもあります。
どちらが向いているかは、ガス種の有無・燃料価格・既存設備の状態を踏まえて判断するのがよいでしょう。
| 項目 | FF式ガスストーブ |
|---|---|
| 換気 | 不要 |
| 寒冷地での安定性 | 高い(外気温が低くても燃焼が安定) |
| 設置 | 工事が必要(壁貫通の給排気筒) |
| 本体価格 | 高めの傾向 |
| 移動 | できない(据え置き) |
| 主な注意点 | 給排気口の雪詰まり・工事費 |
ガスファンヒーターのメリット・デメリット


ガスファンヒーターは、壁のガス栓とホース(ガスコード)でつないで使う、開放式の暖房機です。
都市ガス用とプロパンガス(LPG)用があり、それぞれ対応機種が異なります。
ガスファンヒーターのメリット
ガスファンヒーターの最大の魅力は、立ち上がりの速さです。
スイッチを入れると5秒ほどで強い温風が出始めるため、寒い朝や帰宅時などすぐに暖まりたいときに使いやすいのが特長です。
ファンで温風を送り出すため、部屋全体を素早く暖められます。
灯油のような給油の手間がなく、燃料切れの心配もありません。
ガス栓にコードをつないで使うため、シーズンオフには本体から燃料を抜くことなく楽に片づけられます。
比較的小型で軽量なモデルが多く、省スペースに設置したい方にも向いています。
もう一つの特長が、乾燥しにくいことです。
ガスを燃焼する際に水蒸気が発生するため、加湿器を使わなくても湿度を保ちやすく、乾燥が気になる冬場に快適に使えます。
エアコン暖房の乾燥が苦手な方には、これが大きな決め手になることもあります。
ガスファンヒーターの主なメリットは次のとおりです。
- 立ち上がりが速く、すぐに部屋が暖まる
- 給油の手間・燃料切れの心配がない
- 小型・軽量で設置しやすく、部屋間の移動もしやすい
- 燃焼で水蒸気が出るため乾燥しにくい
- 灯油のような点火・消火時のニオイがない
ガスファンヒーターのデメリット
開放式であるがゆえのデメリットが、定期的な換気が必要なことです。
燃焼により一酸化炭素が発生するため、1時間に1〜2回の換気が必要とされています。換気を行うと一時的に室温が下がるため、暖房効率が低下する場合があります。
近年の機種には不完全燃焼防止装置が標準搭載されていますが、装置に頼りきらず、換気を習慣にすることが安全に使う前提となります。
設置面では、ガス栓(ガスコンセント)がある部屋でしか使えないという制約があります。
使いたい部屋にガス栓がない場合は、ガス栓の増設工事が必要になり、工事費用がかかる可能性があります。
オール電化のご家庭では、ガスの契約自体が必要になる場合もあります。
ランニングコストの面では、燃料の種類による差が大きい点に注意が必要です。
プロパンガスは都市ガスに比べて単価が高く、同じ使い方でもガス代が1.5〜2.2倍程度になる傾向があります。
ご家庭がどちらのガスかによって、月々の負担感は大きく変わります。
寒冷地ならではの視点では、換気による暖房ロスが冬ほど響くという点もおさえておきたいところです。
外気温が氷点下の札幌では、窓を開けるたびに部屋が一気に冷えます。
このため北海道では、ガスファンヒーターはメイン暖房というより、朝夕や帰宅時の補助暖房として使われることが一般的です。
| 項目 | ガスファンヒーター |
|---|---|
| 換気 | 必要(1時間に1〜2回) |
| 立ち上がり | 非常に速い(約5秒) |
| 設置 | ガス栓が必要(なければ増設工事) |
| 移動 | しやすい(ホース接続) |
| ランニングコスト | ガス種で差が大きい(プロパンは割高傾向) |
| 北海道での位置づけ | 補助暖房向き |
カセット式ガスストーブのメリット・デメリット


カセット式ガスストーブは、家庭用のカセットボンベ(CB缶)を燃料とする暖房機です。
ガス配管や工事が不要で、ボンベを装着するだけで使えます。
カセット式ガスストーブのメリット
カセット式の最大の利点は、工事も配管も電源もいらない手軽さです。
ガスボンベさえ用意すれば場所を選ばず使えるため、部屋を移動させたり、キャンプに持ち出したりと、使えるシーンが幅広いのが特長です。
多くのモデルは電源が不要なコードレス設計のため、停電時や災害時の備えとしても役立ちます。
カセットボンベはコンビニでも購入でき、大雪や台風の前でも比較的入手しやすいという点も、防災の観点では見逃せません。
灯油やガソリンのように、寒波の前にスタンドへ並ぶ必要がないのは安心材料です。
カセット式ガスストーブの主なメリットは次のとおりです。
- 工事・配管・電源が不要で、買ってすぐ使える
- 持ち運べるため、脱衣所・キッチンなどスポット暖房に便利
- コードレスのモデルが多く、停電・災害時の備えになる
- 燃料(CB缶)を身近な店で調達しやすい
カセット式ガスストーブのデメリット
一方で、暖房能力が控えめな点は理解しておく必要があります。
カセット式は1.0〜2.0kW程度が主流で、4〜6kWが一般的な石油ストーブと比べると、広い部屋全体を暖めるには力不足に感じることがあります。
あくまでスポット暖房として割り切るのが基本です。
また、燃焼時間が短いというデメリットもあります。カセットボンベ1本あたりの燃焼時間は約2〜3時間が一般的で、1回の給油で10時間以上使える石油ストーブと比べると、こまめなボンベ交換が必要になります。
長時間・終日の使用には向きません。
そして寒冷地では特に重要なのが、低温に弱いという性質です。
CB缶に使われるブタンガスは気温が5℃以下になると気化しにくくなり、火力が極端に弱まったり点火しなくなったりします。
特に0℃以下では性能が大幅に低下するため、氷点下が当たり前の北海道の屋外や、暖房のない冷え切った部屋では、本来の力を発揮しにくい点に注意が必要です。
イソブタンを多く含む低温対応タイプのボンベを使うことで、ある程度は改善できます。
また安全面では、開放式であるため換気が必須です。
燃焼時に室内の酸素を消費し、不完全燃焼が起きると一酸化炭素が発生する危険があるため、室内で使う場合は1時間に1〜2回、必ず換気してください。
カセット式を安全に使ううえでは、ボンベの取り扱いにも注意が必要です。ストーブの近くにボンベを置いたままにしたり、直射日光の当たる場所や高温になる車内に保管したりすると、容器内の圧力が上がって危険です。
ボンベは風通しのよい常温の場所で保管し、機器にセットしたままの長期放置は避けましょう。
| 項目 | カセット式ガスストーブ |
|---|---|
| 換気 | 必要(1時間に1〜2回) |
| 暖房能力 | 控えめ(1.0〜2.0kW程度) |
| 連続燃焼時間 | 短い(1本あたり約2〜3時間) |
| 設置・工事 | 不要 |
| 低温性能 | 弱い(5℃以下で火力低下しやすい) |
| 主な使い方 | スポット暖房・防災用 |
3タイプを一覧で比較
ここまでの内容を、判断しやすいよう一覧にまとめます。
| 比較項目 | FF式ガスストーブ | ガスファンヒーター | カセット式ガスストーブ |
|---|---|---|---|
| 換気 | 不要 | 必要 | 必要 |
| 暖房力(メイン暖房適性) | 高い | 中〜高 | 低い |
| 立ち上がりの速さ | 速い | 非常に速い | ふつう |
| 設置工事 | 必要 | 場合により必要 | 不要 |
| 移動のしやすさ | できない | しやすい | 非常にしやすい |
| 本体価格の傾向 | 高め | 中程度 | 手ごろ |
| 寒冷地での安定性 | 高い | 中(換気ロスあり) | 低い(低温に弱い) |
| 停電・災害時 | 使えない(電源必要) | 使えない(電源必要) | 使える(コードレス機) |
| 向いている使い方 | 部屋のメイン暖房 | 補助〜メイン暖房 | スポット・防災 |
こうして並べると、「換気の手間をなくして寒冷地で安定して暖まりたい」ならFF式、「すぐ暖まる手軽さと乾燥しにくさを重視する」ならガスファンヒーター、「持ち運びと防災を兼ねたい」ならカセット式、という大まかな向き不向きが見えてきます。
北海道・札幌ではどのタイプを選ぶべきか


ここまでの比較を、寒冷地という条件に当てはめて考えてみましょう。
北海道の冬は、外気温が氷点下二桁になる日も珍しくありません。
この環境では、暖房機器に「換気による室温低下が少ないこと」「低温でも安定して燃焼すること」が強く求められます。
この2点を最も高い水準で満たすのがFF式といえるでしょう。
一方で、ガスファンヒーターは立ち上がりが速く乾燥しにくいという明確な強みがありますので、リビングのメイン暖房を補う形で、朝夕や脱衣所などピンポイントに使うと真価を発揮します。
「メインはFF式やセントラルヒーティング、サブにガスファンヒーター」という組み合わせは、寒冷地では合理的です。
カセット式は、暖房力・連続燃焼時間・低温性能のいずれも寒冷地のメイン暖房には力不足ですが、停電・災害への備えとして一家に一台あると心強い存在です。
北海道では冬の停電が命に関わりますので、コードレスで使えるカセット式を防災用に確保しておく、という位置づけが現実的です。
ポイント
- メイン暖房にするなら → FF式ガスストーブ(換気不要・寒冷地で安定)
- すぐ暖めたい・乾燥が苦手 → ガスファンヒーター(補助暖房として)
- 持ち運び・停電対策 → カセット式ガスストーブ(スポット・防災用)
暮らし方から考える選び方の例
もう少し具体的にイメージできるよう、暮らし方のパターン別に相性の良いタイプを挙げてみます。あくまで一般的な傾向ですが、ご自身の状況に近いものを参考にしてみてください。
- リビングを一日中しっかり暖めたい:FF式が中心。換気ロスがなく、真冬でも室温が安定します。
- 小さなお子さまや高齢のご家族がいて、空気の質・安全性を重視したい:FF式。換気不要で排気が室内に出ず、安全装置も充実しています。
- 朝の身支度や帰宅直後だけ、素早く暖めたい:ガスファンヒーター。立ち上がりの速さが活きます。
- エアコン暖房の乾燥が苦手:ガスファンヒーター。燃焼で水蒸気が出るため、乾燥しにくいのが強みです。
- 脱衣所やキッチンを短時間だけ暖めたい:カセット式、またはガスファンヒーター。持ち運べるカセット式は移動先での使用に便利です。
- 冬の停電・災害に備えておきたい:カセット式。電源不要で使えるため、非常時の備えとして心強い一台になります。
このように、「メインをどれにして、補助や非常用に何を持っておくか」という組み合わせで考えると、無理なく快適な冬の暖房環境を整えやすくなります。
なお、都市ガスかプロパンガスかによって選べる機種も費用感も変わります。
ご自宅のガス種が分からない場合は、契約中のガス会社に確認してみましょう。
失敗しないための選び方|暖房力(畳数)と安全装置
タイプの向き不向きが見えてきたら、次は具体的な機種選びです。
ここでは、どのタイプにも共通する2つのチェックポイントを紹介します。
部屋の広さに合った暖房力(畳数のめやす)を選ぶ
暖房機器には、木造・コンクリート造それぞれで「何畳まで暖められるか」というめやすが設定されています。
これは暖房出力(kW)に基づくもので、部屋の広さに対して暖房力が足りないと、いつまでも暖まらず、結果的にガス代もかさむことになります。
寒冷地では、この畳数のめやすをそのまま鵜呑みにしないことが大切です。
カタログの畳数表示は温暖地を基準にしている場合があり、外気温が氷点下になる北海道では、同じ広さでもより大きな暖房力が必要になることがあります。
加えて、断熱性能や窓の大きさ、天井の高さによっても必要な出力は変わります。「少し余裕を持った出力を選ぶ」くらいがちょうどよい、というのが寒冷地での目安です。
迷ったときは、間取りを見たうえで適切な出力をご提案しますので、遠慮なくご相談ください。
安全装置が充実したモデルを選ぶ
ガスを燃焼させる機器である以上、安全装置の有無は必ず確認したいポイントです。近年の機種には、次のような装置が搭載されています。
| 安全装置 | はたらき |
|---|---|
| 不完全燃焼防止装置 | 室内の酸素濃度が下がり不完全燃焼を起こす前に、自動でガスを止める |
| 立消え安全装置 | 風などで火が消えたとき、ガスが漏れ出ないよう自動で遮断する |
| 転倒時消火装置 | 本体が倒れたり強い衝撃を受けたとき、自動で消火する |
| 過熱防止装置 | 本体内部が異常に高温になったとき、燃焼を停止する |
FF式では、これらに加えて給排気筒の閉塞や排気管外れを検知して自動停止する装置も備わっているのが一般的です。
なお、どんなに安全装置が充実していても、開放式の機器では換気の習慣が欠かせません。
装置はあくまで「万が一のための備え」であり、日常の換気を代わりに行ってくれるものではない、という点は覚えておいてください。
まとめ|「ガスストーブ」は3タイプの違いを理解して選ぶ
「ガスストーブのメリット・デメリット」を考えるうえで最も大切なのは、FF式・ガスファンヒーター・カセット式という3タイプの違いを理解することです。
同じガス暖房でも、換気の要否・暖房力・工事の有無・寒冷地での安定性がまったく異なります。
改めて要点を整理すると、次のとおりです。
- FF式ガスストーブは、換気不要で寒冷地でも安定して暖まる密閉燃焼式。工事と本体価格はかかるが、北海道のメイン暖房に最も適している
- ガスファンヒーターは、立ち上がりが速く乾燥しにくい開放式。換気は必要で、北海道では補助暖房としての活用が向いている
- カセット式ガスストーブは、工事不要で持ち運べる手軽さが魅力。暖房力・低温性能には限界があり、スポット暖房・防災用としての位置づけが現実的
どのタイプが最適かは、住まいの間取り・ガス種・暮らし方によって変わります。
「うちの家にはどれが合う?」「今の暖房を交換したい」といったお悩みがあれば、住まいの条件を確認したうえで、最適な暖房プランをご提案します。
よくある質問(FAQ)
Q. ガスストーブとガスファンヒーターは何が違うのですか?
A. 「ガスストーブ」は広い意味で使われる言葉で、その中にFF式・ガスファンヒーター・カセット式などが含まれます。狭い意味では、FF式のような据え置き型の暖房機を「ガスストーブ」、ファンで温風を送り出す開放式の機器を「ガスファンヒーター」と呼び分けることが多いです。最も大きな違いは、FF式が屋外の空気で燃焼して換気がいらないのに対し、ガスファンヒーターは室内の空気で燃焼するため換気が必要な点です。使い方や設置条件が変わるので、購入前に自宅に合うタイプを確認することが大切です。
Q. FF式ガスストーブは本当に換気がいらないのですか?
A. FF式は、燃焼に使う空気を屋外から取り入れ、排気も屋外に出す「密閉燃焼」方式のため、開放式のような1時間ごとの換気は基本的に必要ありません。排気ガスが室内に放出されない構造だからです。ただし、住宅全体の空気環境を保つうえで、住宅に備わっている24時間換気システムは止めずに使い続けることをおすすめします。また、給排気筒が正しく接続され、屋外側の給排気口が雪などで塞がっていないことが前提となります。
Q. カセット式ガスストーブは北海道の冬にメイン暖房として使えますか?
A. メイン暖房としてはおすすめできません。カセット式は暖房出力が1.0〜2.0kW程度と控えめで、広い部屋全体を暖める力が不足しがちです。加えて、カセットボンベは気温が5℃以下になると気化しにくくなり、火力が低下する性質があります。氷点下が続く北海道の冬に終日使う用途には向いていません。脱衣所などのスポット暖房や、停電・災害時の備えとして活用するのが現実的です。
Q. ガスストーブのランニングコストは、都市ガスとプロパンガスで変わりますか?
A. 変わります。一般的にプロパンガス(LPG)は都市ガスより単価が高く、同じ使い方でもガス代が1.5〜2.2倍程度になる傾向があります。そのため、ご家庭がどちらのガスを使っているかで月々の負担感は大きく変わります。ガス種によって選べる機種も異なりますので、購入前に必ず自宅のガス種を確認しましょう。分からない場合は、契約中のガス会社や住宅設備業者に問い合わせると確認できます。
Q. 今使っている灯油ストーブからガスストーブに交換できますか?
A. 交換は可能です。ただし、ガス配管の引き直し工事等が発生する場合がありますので、一度供給しているガス会社に相談することをおすすめします。
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